エビとしじみには相乗効果がある?
エビとしじみは肝臓に良い
エビとしじみは、「肝臓に良い影響を与える」という点において相乗効果があります。
その理由は、エビとしじみには、
- 肝臓で行われる胆汁の分泌を促進する
- 肝臓で行われる解毒作用をサポートする
- 肝機能を向上させる効果
- 抗酸化作用によって老化の予防、生活習慣病の予防効果
という効果がある成分が含まれているからです。
タウリンが胆汁の分泌を促進
しじみとエビに共通して含まれている成分がタウリンです。
タウリンには、胆汁の分泌を促進するという働きがあります。
胆汁とは、肝臓で生成される成分で、主に脂肪の消化・吸収を助ける働きをしますが、老廃物を体外へ排出するという働きもあります。
有害物質の解毒作用は肝臓で行われますが、老廃物であるビリルビンや余分なコレステロールは胆汁中に排出されます。
ですから、胆汁の分泌が正常に行われることは、肝臓の解毒作用を助けます。
また、胆汁の主成分である胆汁酸は、コレステロールから作られます。
胆汁の分泌が促されると体内のコレステロールが使われることになり、コレステロールの体内への蓄積を防ぐことで脂肪肝の予防につながります。
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が蓄積する症状で、場合によっては肝硬変や肝臓がんなどの重篤な症状へ進行することもあります。
また、タウリンには弱った肝細胞を再生・修復する働きもありますから肝機能の向上に効果がある成分です。
肝臓の解毒作用をサポートする
しじみに含まれているオルニチン、しじみとエビに含まれているアルギニン、エビに含まれているキチンは肝臓の解毒作用をサポートする成分です。
肝臓の解毒作用で重要な役割を果たすのが、オルニチン回路です。
オルニチン回路は、体に有害なアンモニアを無毒な尿素に変換する回路です。
アルギニンとオルニチンが相互変換を繰り返すことでオルニチン回路が正常に働きます。
簡潔に説明すると、体内で発生した有害物質アンモニアは、まずオルニチンと反応してシトルリンが生成されます。
その後シトルリンは、アルギニンに変換され最終的にアルギニンが水と混ざることで尿素とオルニチンになり、オルニチンは再利用されます。
オルニチン→シトルリン→アルギニンというサイクルでオルニチン回路は成り立っていますから、オルニチンとアルギニンを摂取することは、オルニチン回路の正常化に対して相乗効果があります。
オルニチンは、しじみに含まれています。
アルギニンは、しじみとエビに共通して含まれていますから、エビとしじみを摂取することでオルニチン回路を正常化させ、肝臓の解毒作用をサポートすることができます。
キチンとは、エビやカニの殻に含まれる成分です。
キチンは、体内で肝臓が処理しきれない有害物質を吸着し体外へ排出する働きがあると言われています。
エビとしじみの抗酸化作用がある成分
抗酸化作用とは、活性酸素を除去する働きです。
活性酸素とは、他の物質を酸化させる酸素のことで、私達が呼吸する上で摂取する酸素のうち2%が活性酸素であると言われています。
活性酸素は、殺菌力が強く細菌などから体を守ってくれる免疫機能がある一方で、増え過ぎると私達の細胞までダメージを負ってしまうという性質があります。
活性酸素は、老化の原因です。
また、動脈硬化や心筋梗塞など多くの病気に活性酸素が関わっていると言われており、健康的な生活を送るためには活性酸素を除去することが重要なのです。
ビタミンE
しじみとエビには、ビタミンEが含まれています。
ビタミンEは、「若返りのビタミン」と呼ばれるほど抗酸化作用が強いビタミンです。
アスタキサンチン
アスタキサンチンは、トマトに含まれるリコピンなどと同じカロテノイドの一種で、エビやカニなどの甲殻類に多く含まれる成分です。
アスタキサンチンは、ビタミンCの6000倍と言われるくらい強い抗酸化作用があります。
基本的に私達の体の中には、抗酸化成分があるのですが、活性酸素の中でも一重項酸素という種類の活性酸素に対しては、抗酸化成分を持っていません。
ですから、一重項酸素を除去するためには外部から一重項酸素を除去できる成分を摂取する必要があります。
アスタキサンチンは、この一重項酸素の除去に有効な成分です。
亜鉛
亜鉛は、体内のビタミンAの抗酸化作用を促す働きがあります。
また、SOD酵素という抗酸化作用のある酵素の生成を助けます。
このように、亜鉛自体には抗酸化作用はないのですが、他の物質の抗酸化作用を助けるという働きがあります。
亜鉛は、不足しやすいミネラルですが、エビにもしじみにも含まれています。
しじみとエビを同時に食べるときの注意点
しじみとエビを同時に食べるときには、1点だけ注意点があります。
それは、「肝機能が低下している人は、摂取を控えるべきである」という点です。
しじみとエビには、鉄分が多く含まれているからです。
鉄が過剰に肝臓に蓄積することで活性酸素が発生し肝細胞を傷つけて炎症を悪化させる危険性があります。
特にC型慢性肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎を患っている人は、鉄が肝臓に蓄積しやすいため注意が必要です。
炎症が悪化し、肝硬変や肝臓ガンなどの重篤な症状に進行してしまう危険性があります。
まとめ
エビとしじみには、
について相乗効果があります。
ただし、肝機能に障害を持っている人は、しじみとエビに含まれている鉄分が炎症を悪化させる危険性があるので食べるのは控えた方が良いです。