コエンザイムQ10は吸収しにくい?
コエンザイムQ10は吸収しにくい?
コエンザイムQ10は強力な抗酸化作用と体内のエネルギー(ATP)の生産効率を高める働きを持つことから、様々な美容、健康効果が期待されています。
人が健康で生きていくためには欠かせないコエンザイムQ10ですが、年齢とともに合成量が減少していくことが判っています。
コエンザイムQ10の合成力、合成量の低下を防ぐためには外部からコエンザイムQ10を補うことが大切です。
コエンザイムQ10はもともと体内で合成されている物質ですので、外部から摂り入れても体内で吸収されにくいという特徴があります。
さらに、コエンザイムQ10が豊富に含まれている肉類や魚介類の多くは脂溶性で、コエンザイムQ10自体も脂溶性です。
脂溶性の物質は油には溶けやすいのですが水には溶けにくいという性質があります。
脂に溶けにくいということは加熱調理をしても成分が壊されにくいので一見メリットのようにも思えますが、人の体の約60%は水分ですので脂溶性の物質は体内では吸収されづらいのです。
一説では、食事から摂り入れたコエンザイムQ10は摂取量の半分以上も吸収されずに体外に排泄されているともいわれています。
いくらコエンザイムQ10の含有量が多いものを摂っても、摂取した成分量すべてが体に吸収されないのがコエンザイムQ10のデメリットなのです。
コエンザイムQ10の吸収率を上げるには?
では、コエンザイムQ10の吸収率を上げるためにはどうすればよいのでしょうか? コエンザイムQ10の吸収率を上げる方法は2つあります。
まず一つが、脂質と一緒に摂ることです。
というのも、人の身体は脂質を摂ると脂肪を分解するために胆汁酸が多く分泌されます。
ですから、コエンザイムQ10と脂質の多いものを一緒に摂ることで、胆汁酸が多く分泌され、体内の消化吸収力が高まります。
そしてもう一つが、還元型コエンザイムQ10を摂ることです。
コエンザイムQ10には「酸化型」と「還元型」があります。
酸化型のコエンザイムQ10は体内で還元型に変換されないとコエンザイムQ10としてのパワーを発揮できません。
しかも、摂取したすべてが還元型に変換されるわけではありませんし、酸化型から還元型に変換する力は年齢とともに低下していきます。
還元型に変換されなかった酸化型コエンザイムQ10は、コエンザイムQ10としてのパワーを発揮することなく体外へ排出されてしまいます。
還元型のコエンザイムQ10は還元型に変換する必要がありませんので、年齢問わず、体内に摂り入れるとコエンザイムQ10としてのパワーを発揮します。
体内に存在するコエンザイムQ10は年齢とともに減少していきます。
コエンザイムQ10が減少することで、抗酸化力が低下し、エネルギー生産効率も下がります。
すると、身体が疲れやすくなったり、シミやしわなどの老化現象が現れたり、生活習慣病のリスクが上がったりします。
また、コエンザイムQ10は食事から摂取した糖質、脂質、たんぱく質などの栄養素からエネルギーを生産する大切なサポート役ですので、コエンザイムQ10の働きが低下するとエネルギーとなる栄養素が上手く消費されず、脂肪となって蓄積されやすくなります。
加齢によって起こる身体の不調や老化を防ぐためには、コエンザイムQ10を積極的に摂ることが大切です。