オルニチンの過剰摂取は危険?
オルニチンは安全性が高い成分
オルニチンは、
- 体内に蓄積しにくい遊離アミノ酸(※)であること
- 元々、体内で作られている成分であること
から、副作用がなく安全性の高い成分です。
※遊離アミノ酸とは、タンパク質を構成しないで単独で体内に存在するアミノ酸です。
遊離アミノ酸は、過剰になっても分解され体外に排出されるので、体内に蓄積しにくいです。
ただし、度を越えた過剰摂取は別です。
オルニチンの健康的効果に期待して、大量のオルニチンを摂取すれば、体に何らかの副作用が出る危険性があります。
安全性の高いオルニチンも、過剰摂取した場合には副作用が出る場合があるということです。
オルニチンの過剰摂取による悪影響とは
オルニチンを過剰摂取した場合には、以下のような症状が出る可能性があります。
オルニチンは、アルカリ性であるため胃液が中和されます。
そのため、空腹時にオルニチンを大量摂取することで胃が荒れて胃痛になることがあるようです。
アミノ酸を大量に摂取すると、小腸においてアミノ酸濃度が高くなります。
その結果、浸透圧を調整する必要が出ますから、小腸内に多量の水が入ってきます。
この様な状況になることで下痢症状が出る場合があるのです。
胃腸が弱い人は、オルニチンの摂取量に注意しましょう。
どれくらいオルニチンを摂取しても良い?
一日に必要なオルニチンの推奨量
一日に摂取するオルニチンの推奨量は、400mg~1000mgです。
この量を食材から摂取するのは、正直なところ難しいです。
オルニチンが豊富に含まれていることで有名なしじみのオルニチン含有量は、100gあたり10.7~15.3mg程度です。
しじみから400mgオルニチンを摂取するためには、しじみを1000個以上食べなければならないのです。
そう考えると、オルニチンを必要量摂取するためにはサプリメントなどで補うのが現実的です。
10g以上、オルニチンを摂取すると悪影響がある?
一日に10gのオルニチンを摂取したケースで胃腸に不調(腹痛、胃痛、下痢)が見られたという報告があります。
また、一日に1~7gのオルニチンを摂取しても副作用が出なかったという報告もあります。
ただ、症状が出るか出ないかは個人差があるので、推奨量である400mg~1000mgの範囲でオルニチンを摂取した方が良いです。
では、副作用が出たと言われるオルニチン10gという量はどれくらいの量なのでしょうか?
食材に含まれるオルニチン含有量
オルニチン含有量の多い食材のオルニチン含有量を表にしてみました。
100gあたりのオルニチン含有量 | |
---|---|
ホンシメジ | 160㎎ |
ブナピー | 110㎎ |
エリンギ | 30㎎ |
エノキタケ | 14㎎ |
シジミ | 15.7㎎ |
キハダマグロ | 7.2㎎ |
チーズ | 8㎎ |
100gあたりのオルニチン含有量が最も多いのは、ホンシメジの160mgです。
ホンシメジから、オルニチンを10g摂取するためには、約6.2kgのホンシメジを食べなければなりません。
食材に含まれるオルニチン含有量を考えると、1日にオルニチン10gを食材から摂取することは不可能です。
となると、食材からオルニチンを摂取して過剰摂取になることはほとんどないと考えて良いでしょう。
サプリメントのオルニチン含有量
効率的にオルニチンを摂取する方法として、サプリメントを利用するという方法があります。
サプリメントのオルニチン含有量は、商品によって違いますが、多いものだと1粒あたり200㎎のオルニチンが含まれているものもあります。
このようなサプリメントなら、一日50粒飲むことでオルニチン10g摂取することは可能です。
しかし、オルニチンも含めたすべての健康食品は、まとめて多く摂ることで効果が早く現れたり、効果が大きくなることはありません。毎日適切な量を摂ることで、少しずつ効果が現れます。
そのため、オルニチンの健康的な効果を期待して、サプリメントを過剰に飲むことは控えましょう。
まとめ
オルニチンは、安全性が高い成分であるため副作用の心配はありません。
一日10gオルニチンを摂取することで、胃痛や下痢症状が出たという報告はありますが、これはオルニチン特有の副作用というわけではなく、アミノ酸の過剰摂取によるものです。
通常、一日に10gのオルニチンを摂取することはほとんどありませんから、オルニチンの過剰摂取による副作用の心配はそれほど気にすることはないかと思われます。
ただ、過剰摂取によって副作用が出るかどうかは個人差がありますから、念には念を入れて、多くても一日あたり1500㎎程度に抑えると安全性はより高くなることでしょう。