すっぽんと赤ワインの相乗効果は?

すっぽんと赤ワインの相性は?

すっぽん料理と言うと、そのお供はやはり日本酒というのが定番。
しかし、最近ではすっぽんの血の酒割りで日本酒より赤ワインの方が、見た目がきれいで違和感が無いため、すっぽん料理にワインを提供する店も増えています。

日本酒と同様に、ワインは健康効果が高いことで知られ、近年酒離れが叫ばれる中で、日本酒やウィスキーなどの消費が落ちる一方、ワインの消費量は非常に安定しています。
すっぽんも健康効果の高い食品ですが、ワインと一緒に摂取すると相乗効果はあるのでしょうか?
今回は、すっぽんとワインの相性についてお話します。

ワインとは

ワインは、ブドウの果汁を発酵させたアルコール飲料です。
ワインには色の薄いブドウの果汁のみを発酵させた白ワイン、赤い皮つきの果実を丸ごと発酵させた赤ワイン、その中間のロゼワインの3種類があります。

白ワインは酸味と甘味が味を左右し、赤ワインはこれに渋味が加わります。
また、ワインは香りも楽しむ飲料とされ、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸などの有機酸が豊富で、これが香りを左右します。
そして、特に健康効果が高いとされているのが赤ワインです。

赤ワインが健康に良い理由

赤ワインが赤いのは、葡萄の皮に含まれているアントシアニンの影響です。
アントシアニンは非常に強い抗酸化物質で、赤ワインに使われるブドウが紫外線の害から身を守るために生成する二次代謝産物※1です。

※1 二次代謝産物とは植物特有の成分で、生体の維持には必要ないが、継続して摂取することで体に何かしらの効果をもたらす栄養素のこと。

また、葡萄の種子にはタンニン、フラボノイド、レスベラトロールなどの二次代謝産が豊富で、これらの成分が赤ワインに溶け込んでいます。
さらに、赤ワインには脂肪を燃焼させるビタミンB群、むくみを解消するカリウム、造血作用を促すモリブデン、血糖値を下げるクロムといったミネラルも含有します。

すっぽんと赤ワインの相乗効果

古くから薬効が知られるすっぽんと、様々な栄養素を含有する赤ワインは非常に相性の良い組み合わせです。
すっぽんと赤ワインがどのような相乗効果があるのか、詳しく見てみましょう。

すっぽんはアルコールの代謝を促進

赤ワインのアルコールは二日酔いの原因になる

赤ワインが体に良いと言っても、ワインはアルコールを含むお酒です。
適度なアルコールは血管を拡張して血行を良くし、快楽を司る脳内ホルモンのドーパミンの分泌を促しストレスを解消し、食欲を増進させるなど良い作用があります。
しかし、肝臓でアルコールを代謝※2して無毒化する機能の許容量を超えると、二日酔いとなり倦怠感や疲労など体に悪影響を及ぼします。
すっぽんは、肝臓でアルコールの代謝を促進する栄養素が豊富です。

※2 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質を持つ物質に変えること。

すっぽんのビタミンB群がアルコール代謝を促進

アルコールは肝臓でアルコール脱水素酵素やアセドアルデヒド脱水素酵素により代謝され、最終的に無害な酢酸と炭酸ガスに分解されます。
アセトアルデヒドは肝臓の細胞を変質化させる大変毒性の強い物質で、肝臓はアルコール代謝に集中して膨大なエネルギーを消費し、他の機能は疎かになります。
その時に使用されるのが、すっぽんに豊富なビタミンB1とナイアシンです。

ビタミンB群は肝臓で糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素をエネルギーに代謝する際に補酵素として作用する栄養素です。
ビタミンB1は主に糖質を、ナイアシンは体内のエネルギー生産の6割に関与し三大栄養素をエネルギーとして代謝し、アルコール代謝時のエネルギー生産に関与します。
また、アルコールの代謝でアルコール脱水素やアセドアルデヒド脱水素が不足すると、ビタミンB1やナイアシンが代役となり、アルコールの代謝に使用されます。

すっぽんはビタミンB1とナイアシンが豊富

すっぽんはビタミンB群が豊富な食品として知られ、ビタミンB1とナイアシンも多く含有しています。
赤ワインと一緒にすっぽんを摂取すると、ワインに含まれるアルコールの代謝を促進し、二日酔いを抑制できます。

成分含有量

すっぽん100gあたり、ビタミンB1を0.91mg、ナイアシンを3mg含有し、これは成人男性が1日に必要な摂取基準のそれぞれ75.8%、20%に相当します。

動脈硬化の抑制

動脈硬化の原因

動脈硬化は、血管が硬くなると起こります。
血管は平滑筋という筋肉でできており、血栓や高血圧で血管が膨れて圧力がかかると筋肉の緊張状態が続き、やがて硬直化してしまいます。

特に、血管内に中性脂肪や悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの量が多くなると、それらの成分が血管内壁に付着し、血栓を作ります。
中性脂肪やLDLコレステロールが血管内壁に付着すると、体内で発生する活性酸素※3で過酸化脂質に変質し、自らも活性酸素を放出します。
過酸化脂質が放出する活性酸素は周囲の血管の細胞を傷つけて、炎症が発生し、やがて繊維化して動脈硬化に発展します。
動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞、くも膜下出血という命に係わる症状の引き金になります。

※3 活性酸素は電子が欠損した物質として不安定な酸素のこと。他の物質と結合することで物質としての安定化を図るため、普通の酸素に比べ化学反応が早い性質があります。

すっぽんで中性脂肪やコレステロールを抑制
栄養素がエネルギーに代謝されないと脂肪が蓄積される

中性脂肪やコレステロールは、肝臓で生産されます。
血中に中性脂肪やコレステロールが増えるのは、肝臓に脂肪が蓄積するのが原因です。
脂肪の蓄積は、過食や肝機能の低下で摂取した三大栄養素がエネルギーに代謝されないために起こります。

すっぽんに豊富なビタミンB群は、肝臓でエネルギー代謝に関与します。
特にすっぽんのビタミンB2は、主に脂質をエネルギーに代謝するので、肝臓に蓄積した脂肪の燃焼を促進する作用があります。
すっぽんでビタミンB2を補うと、肝臓に蓄積した脂肪が減少し、それに伴い動脈硬化を引き起こす血中の中性脂肪やコレステロールが減少します。

成分含有量

すっぽん100gあたりビタミンB2を0.41mg含有し、これは成人男性が1日必要な摂取基準の31.5%に相当します。

すっぽんと赤ワインで活性酸素を抑制
動脈硬化予防には抗酸化物質が必要

動脈硬化の原因の一つが、血管に付着した中性脂肪やコレステロールを過酸化脂質化する活性酸素です。
活性酸素は、細胞内でエネルギーを生産するミトコンドリアが酸素と栄養素を取り込んでエネルギーを代謝する際に、副産物として体内で生産されます。

体内では活性酸素の害から身を守るために、様々な抗酸化物質が生産されます。
しかし、加齢と共にその生産力が低下するので、食事などで抗酸化物質の摂取が必要です。

すっぽんに豊富なビタミンEは、油に溶ける脂溶性の抗酸化物質で、中性脂肪やコレステロールに侵入し、過酸化脂質に変質しないように抑制する作用があります。
一方、赤ワインにはポリフェノールをはじめとした抗酸化物質が豊富で、体内で発生する活性酸素を除去します。
体内で発生する活性酸素が減れば、血管の繊維化が抑制され、動脈硬化を予防できます。

糖尿病の予防

糖尿病の原因

食事をすると、食物に含まれる糖質で血糖値が上昇します。
血液中に糖質が多くなると、血液がドロドロの状態になり血行が悪くなります。
そのため、すい臓でインスリンを分泌して細胞内に取り込ませ、血流を正常化します。
しかし、加齢やストレスなどでインスリンの分泌が少なくなると、細胞内に血液中の糖質が取り込めなくなり、いつまでも高血糖の状態が続く糖尿病になります。

すっぽんと赤ワインがインスリンを活性化
亜鉛が不足するとインスリン生産量が減少する

インスリンはすい臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で生産されます。
β細胞にはたんぱく質の合成に必要な亜鉛が多く存在しますが、β細胞内に亜鉛が不足するとインスリンの生産も減少します。

すっぽんには亜鉛が豊富に含まれています。
また、すっぽんのアルギニンで分泌が促進される成長ホルモンもインスリンの分泌を促す作用があり、さらに赤ワインのクロムはインスリンを活性化する作用があります。
これらの栄養素がインスリンを活性化するので、血糖値が下がり糖尿病を予防できます。

成分含有量

すっぽんは亜鉛が豊富で、すっぽん100gあたり1.6mg含有し、これは成人男性が1日に必要な摂取基準の16%に相当します。

貧血改善

ヘモグロビンを作るには鉄やその他栄養が必要

貧血は体内で酸素を運ぶ赤血球の主成分であるヘモグロビンが、十分に体内で生産されないために発生します。
ヘモグロビンを作るには鉄が必要で、他にもアミノ酸やビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビタミンCなどが必要です。

すっぽんは鉄をはじめとしたこれらの栄養を含有し、体内でのヘモグロビンの合成が可能になります。
また、赤ワインが含有するモリブデンは骨髄にある造血幹細胞に鉄が不足すると、鉄を蓄えている肝臓から鉄を運搬する作用を補助し、造血を促す作用があります。

美肌効果

すっぽんで美肌を作る

すっぽんは肌の保湿成分であるコラーゲンの原料となるグリシン、プロリン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸などの各種アミノ酸や、ビタミンB6、鉄などが豊富です。
また、すっぽんのアルギニンは肌の健康を保つ新陳代謝に必要な成長ホルモンの分泌を促進し、必須ミネラルの亜鉛が細胞分裂を活性化するので肌を若々しく保てます。
さらにすっぽんに豊富なビタミンB2は、肌の健康を保つ皮脂の分泌にも関与しているので、若々しく潤いある美肌を実現できます。

ワインで美肌を保つ
活性酸素がシワやシミの原因になる

皮膚は本来、外の環境やウィルス、そして紫外線の害から皮膚の内側の組織を守る器官です。
紫外線は皮膚を通過し、細胞内にある酸素の電子を弾き飛ばし、活性酸素を作り出します。
活性酸素は保湿成分であるコラーゲンを酸化させて硬直化させ、シワの原因を作ります。
また、遺伝子情報を司るDNAやRNAを傷つけるため、細胞分裂で正確な複製ができなくなり肌が老化します。
皮膚はメラニン色素を作り紫外線の害から細胞を守りますが、これがシミの原因となります。

赤ワインに豊富なポリフェノールは、皮膚でも抗酸化作用を発揮し、コラーゲンの酸化を防ぎ、メラニン色素の発生を抑制します。
また、アルコールで血行が促進すると、皮膚に十分な栄養が行き届くようになるので肌の新陳代謝が活性化し、張りのある若々しい肌を保てます。

認知症の予防

赤ワインの認知症予防効果
βアミロイドが認知症を引き起こす

40代を過ぎる頃になると、脳内にβアミロイドと呼ばれるたんぱく質が増えることが知られています。
人は60代くらいから認知症を発症する人が多くなるのは、この蓄積したβアミロイドが発生させる活性酸素で脳の細胞死が増大するためです。
健常者と認知症患者とでは、脳内に溜まったβアミロイドの数に25倍もの差があるという調査報告もあります。

赤ワインに含まれるポリフェノール類は、このβアミロイドの蓄積を抑制する作用があります。
また、ポリフェノールは抗酸化物質なので、脳内で発生する活性酸素を抑制し、脳の細胞死を抑制します。
さらに、すっぽんを一緒に摂取すると、脳の神経細胞を修復し、別名「神経のビタミン」と呼ばれるビタミンB12も大量に補給できるので、活性酸素で傷ついた脳細胞を再生できます。

すっぽんの認知症予防効果
ドーパミン不足が認知症を引き起こす

脳の活動を司る脳内ホルモンは、加齢と共にその生産量が減少することが知られています。
その中でも「快楽」を司るドーパミンは、人にやる気を起こさせ学習能力を高める効果があり、ドーパミンの分泌量が減少すると認知症を発症する確率が高まります。

すっぽんはドーパミンの原料となる非必須アミノ酸のチロシンや、チロシンの原料となるフェニルアラニン、そしてドーパミンの代謝に必要なビタミンB6を含有しています。
すっぽんを摂取するとドーパミンの生産が活性化し、学習能力が高まるので認知症を予防できます。

また、すっぽんは脳の海馬を活性化する効果もあります。

亜鉛とカルシウム不足が海馬の機能低下を招く

海馬は脳にもたらされる膨大な情報を処理し、必要な情報のみを大脳に書き込む器官です。
海馬の機能が低下すると、大脳に記憶を書き込めなくなるので認知症を発症します。
海馬で情報伝達物質として作用しているのが亜鉛とカルシウムで、これらの栄養素が不足すると海馬の機能も低下します。

すっぽんは亜鉛が豊富ですが、カルシウムは多くありません。
しかし、すっぽんのサプリメントの中にはすっぽんの骨も含有しているものもあるので、そのようなサプリメントであれば亜鉛やカルシウムを補給できます。
すっぽんのサプリメントを活用すると、海馬の機能に必要な亜鉛とカルシウムを補給できるので海馬の機能が活性化し、認知症を予防できます。

まとめ

すっぽんと赤ワインは、健康に相乗効果を発揮する非常に良い組み合わせです。
すっぽんに豊富なビタミンB1とナイアシンは、赤ワインのアルコールの代謝を早める作用があり、アルコール飲料に付き物の二日酔いを軽減します。
また、すっぽんと赤ワインの栄養素はそれぞれ動脈硬化や高血糖、認知症の予防にも効果があり、さらに美肌効果も発揮します。
赤ワインが健康に良くとも、飲み過ぎは体に悪影響を与えます。
すっぽんのお供に1杯の赤ワインが、あなたの健康維持に役立ちます。

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