すっぽんゼリーとは

すっぽんのゼリーがある

滋養強壮や精力増進に効果があり、高級食材として知られるすっぽん。
すっぽんの料理と言うと鍋物が代表的ですが、デザートのゼリーもスッポンから作れるのをご存知ですか?
すっぽんでゼリーというと、何となく生臭い感じがしないでもありませんが、普通のデザートのゼリーと同様に爽やかで涼しげな味覚を味わえます。
今回は、すっぽんで作るゼリーについてお話します。

ゼリーとは

ゼリーは、寒天やゼラチンを液体を凝固させるゲル化剤とし、砂糖や果汁などを加えて作る生菓子です。
寒天は天草を用い、人間の消化液では分解できない食物繊維のアガロースやアガロペクチンなどの多糖類の凝固作用で液体をゲル化させます。

一方、ゼラチンは動物性のたんぱく質であるコラーゲンを原料とし、加熱分解して精製したものです。
ゼラチンは液体と共に加熱すると液化しますが、冷やすとゲル化する性質があります。

すっぽんはコラーゲン豊富

すっぽんはコラーゲンが豊富な食品で、皮や甲羅のエンペラと呼ばれる部分はコラーゲンの塊です。
そのため、すっぽんのコラーゲンを熱で分解するとゼラチンができます。
すっぽんで美味しい煮凝りができますが、これはすっぽんに豊富なコラーゲンの作用によるものです。

すっぽんのゼリーは体に様々な効果をもたらす

寒天のゼリーとすっぽんのゼリーの違い

寒天で作ったゼリーの場合、食物繊維がゲル化剤なので水分中の糖分などは体内に吸収されますが、食物繊維は分解できないので吸収されません。
食物繊維は腸内バクテリアの食料となったり、腸内の余分な水分を吸収して便を柔らかくしたりして、便秘を改善する作用があります。

一方、すっぽんのコラーゲンを基にゼラチンで作ったゼリーは、元々たんぱく質なので消化の際にアミノ酸に分解され体に吸収されます。

コラーゲンの主成分が豊富

すっぽんのゼリーにはコラーゲンの主成分であるグリシン、プロリン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニンなど各種アミノ酸が豊富です。
これらの成分は体内に吸収されると、体に様々な効果をもたらします。

すっぽんのゼリーを摂取すると、どのような効果があるのか詳しく見てみましょう。

美容効果

ゼラチンはコラーゲンを精製したものなので、体内で生産されるコラーゲンの原料が豊富です。
コラーゲンは体のたんぱく質の実に30%を占める成分で、皮膚の真皮にハリと潤いを与える保湿成分や、筋繊維を包む筋膜として体内に存在します。骨に柔軟性を与える成分もコラーゲンです。

コラーゲンの原料が増えれば美容効果が高まる

ゼラチンが消化されると、一度アミノ酸に分解されてから体に吸収されます。その後必要に応じて他のアミノ酸と結合するので、全てがコラーゲンに再合成されるわけではありません。
しかし、体内にコラーゲンの原料が増えれば、コラーゲンに再合成される確率が高まります。
その結果、肌に潤いとハリを与える真皮のコラーゲンが増えるので、美容効果が期待できます。

疲労回復

ゼラチンは疲労回復効果のある非必須アミノ酸のアスパラギン酸、アルギニン、グルタミン酸が豊富です。
体内でエネルギーの生産を行うのは肝臓で、肝臓の細胞内にあるミトコンドリアのクエン酸回路で糖質、脂質、たんぱく質がエネルギーに代謝※1されます。
アスパラギン酸は、このクエン酸回路に糖質や、疲労物質とされる乳酸を運搬し、クエン酸回路のエネルギー生産を促進する作用があります。

※1 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質の物質に変えること。

疲労はアンモニアが原因

また、肝臓は疲労物質で人体に有害なアンモニアを無毒な尿素に代謝する役割があります。
アンモニアは新陳代謝※2や食事でたんぱく質を分解すると発生し、神経細胞を麻痺させ、ミトコンドリアの活動を阻害する作用があります。
体内で発生したアンモニアは、グルタミン酸と結合して無害なグルタミンになり、血液で肝臓に集められます。
肝臓に集められたアンモニアは、肝臓の尿素回路で無害な尿素に代謝され、尿と共に排泄されます。

※2 新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えることで、組織の機能を保つ生理現象のこと。

しかし、ストレスや加齢などで肝機能が弱まると、集められたアンモニアの処理が間に合わず、逆にアンモニアの毒素で肝機能が低下します。
その結果、肝臓のエネルギー生産力も低下し、疲労が蓄積します。

すっぽんゼリーのアミノ酸が肝機能を向上

アルギニンとアスパラギン酸は尿素回路に必要な栄養素で、尿素回路を活性化する作用があります。
非必須アミノ酸は体内で他のアミノ酸からも生産が可能ですが、加齢で代謝機能が低下するとその生産量も低下するため、直接食物から摂取するのが効果的です。
すっぽんゼリーを食べると、これらのアミノ酸を補給できるので、肝機能が改善し疲労回復効果を発揮します。

新陳代謝を活性化

すっぽんゼリーに豊富なアルギニンは遊離アミノ酸※3として作用すると、脳下垂体を刺激し、成長ホルモンの分泌を促進する作用があります。
成長ホルモンは、たんぱく質の合成に必要な化学物質です。
体の機能を維持する新陳代謝には成長ホルモンが必要で、成長ホルモンの分泌が減少すると新陳代謝も低下し、体に様々な不具合が生じます。
また、成長ホルモンは免疫細胞も活性化するので、すっぽんゼリーを摂取すると体の健康維持に役立ちます。

※3 遊離アミノ酸とは、他のアミノ酸と結合せず、単体で体の機能に作用するアミノ酸のこと。

精力増進

生菓子のゼリーで精力増進は想像できないかもしれませんが、すっぽんゼリーならそれが可能です。
すっぽんゼリーのアルギニンは遊離アミノ酸として脳下垂体を刺激しますが、脳下垂体からは男性ホルモンのテストステロンの分泌を促す性腺刺激ホルモンも分泌されます。
ストレスなどで自律神経が乱れると性腺刺激ホルモンの分泌も減少するので、脳下垂体が刺激されるとその分泌が促進され、精巣で生産されるテストステロンの量が増えます。

また、アルギニンは男性機能を向上させる作用があり、精液の主成分はアルギニンです。
さらに、アルギニンは勃起にも必要で、陰茎の海綿体に血液を流し込む際、血管を拡張させる一酸化窒素の原料もアルギニンです。

不眠改善

すっぽんゼリーに豊富な非必須アミノ酸のグリシンは、入眠の際に血管を拡張させ深部体温を下げる作用があり、体を入眠しやすい状態にする作用があります。

また、睡眠中は脳が活動しているレム睡眠と、脳が休息しているノンレム睡眠が交互に入れ替わっていますが、グリシンはノンレム睡眠の時間を長くする作用があります。
さらに、睡眠には「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンの合成が必要で、その前駆体となるのがセロトニンです。
グリシンはこのセロトニンの生産を増やす作用があるので、結果として睡眠に必要なメラトニンの量も増やします。

亀ゼリーはすっぽんではない

インターネット上では、中国の薬膳デザート「亀苓膏(きれいこう)」の缶詰などが亀ゼリーとして販売されています。
これは本来は、鷹嘴亀(ヨウシガメ、日本名:オオアタマガメ)という南方系の水陸両生のカメの腹部にあるコラーゲンと、土茯苓(ドブクリョウ)という蔓性の多年草、甘草、仙草などの生薬で作る薬膳です。
しかし、鷹嘴亀がこの亀苓膏を作るために乱獲され、数が激減したため、現在は代用としてツチガメが使われ、販売業者はツチガメをすっぽんの一種と謳っています。

しかし、ツチガメはすっぽんの一種ではなく、イシガメ科のクサガメの一種で、すっぽんとは全く別の種です。
亀苓膏自体は、美肌やデトックス、便秘、夏バテなどに効くとして南宋時代から800年の歴史を誇る薬膳料理なので、興味があれば試してみるのもいいでしょう。

まとめ

ゼリーの原料であるゼラチンはコラーゲンを加熱分解して作るので、コラーゲンが豊富なすっぽんからゼリーは作れます。
すっぽんゼリーを摂取すると、成分のゼラチンはアミノ酸に分解されて体内に吸収されます。
そして、コラーゲンの再合成以外に、疲労回復、精力増進、美容、不眠解消などの健康効果をもたらします。
すっぽんゼリーは、あなたの健康を美味しくサポートしてくれるデザートと言っていいでしょう。

あなたにオススメのコラムRecommend