すっぽんと女性ホルモンの関係
すっぽんは女性ホルモンを正常化する
古くから精のつく食材として愛されているすっぽんは、男性の精力剤などに配合されることが多いため、どうしても男性向きの健康食品に思われがちです。
しかし、すっぽんには女性にとっても嬉しい効果がたくさんあり、その中には女性ホルモンに作用する栄養素もあります。
女性ホルモンは、女性の機能の維持に必要不可欠なホルモンです。
今回は、すっぽんと女性ホルモンの関係についてお話します。
女性ホルモンとは
女性ホルモンは主に卵巣と、一部副腎で生産されます。
女性ホルモンは卵胞ホルモンと呼ばれるエストロゲンと、黄体ホルモンと呼ばれるプロゲステロンの2種類があり、一定の周期で交互に分泌されます。
エストロゲンは、卵巣で卵胞を成熟させ卵子が着床しやすいように子宮内膜を厚くする役割があり、プロゲステロンは、排卵を促し子宮内膜を維持する役割があります。
また、エストロゲンやプロゲステロンは生理以外にも、自律神経の安定化や女性らしい肌艶を保つなど、女性の体の他の機能にも深く関与しています。
女性ホルモンの分泌の仕組み
女性ホルモンは卵巣や副腎で生産されますが、その分泌過程は少し複雑です。
女性ホルモンの分泌の指令を行っているのが、脳の視床下部という器官です。
視床下部は性腺刺激ホルモン放出ホルモンを分泌し、それが視床下部と繋がっている脳下垂体を刺激します。
脳下垂体は性腺刺激ホルモン放出ホルモンをキャッチすると、今度は脳下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌されます。
脳下垂体から分泌された性腺刺激ホルモンは血液を通じ卵巣に至り、ようやく卵巣で女性ホルモンが生産されます。
女性ホルモンの減少は不調の原因に
生理のある女性の体は、男性に比べデリケートにできています。
ストレスや生活習慣の乱れ、無理なダイエットなどが原因で女性ホルモンの分泌が正常に行われなくなります。
その結果、生理不順が生じ、体の様々な部分で不調が発生するようになります。
また、個人差がありますが、女性は35歳ころを境に女性ホルモンの分泌が急激に減少し、50歳を迎える頃には誰でも閉経を迎えます。
閉経を迎えると卵巣から女性ホルモンの分泌が停止し、更年期障害を発症します。
その結果、自律神経が乱れ、頭痛や動悸、息切れ、倦怠感などが激しくなり、イライラや不安など感情面もコントロールができなくなります。
また、女性ホルモンは女性らしい肌や体つき、骨密度を保つ役割もあるので、女性ホルモンが減少すると肌の老化や肥満が進み、骨粗しょう症のリスクも高まります。
すっぽんは女性ホルモンの分泌を増やす
すっぽんは、女性ホルモンの分泌を増やす栄養素を含有しています。
すっぽんのどのような栄養素が女性ホルモンの分泌に関係するのか、詳しく見てみましょう。
すっぽんのアルギニンが女性ホルモンの分泌を促進
非必須アミノのアルギニンは他のアミノ酸と結合して体に必要なたんぱく質になる以外に、遊離アミノ酸※1としても体に作用します。
アルギニンは脳下垂体を刺激し、成長ホルモンの分泌を促進することが知られています。
※1 遊離アミノ酸とは、他のアミノ酸と結合せずに、単独で体の機能に作用するアミノ酸のこと。
一方、女性ホルモンの分泌の指令を出す視床下部は、自律神経も支配下に置いています。
ストレスや生活習慣の乱れで自律神経が乱れると、連動して視床下部も乱れます。
その結果、視床下部から放出される性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌量が減少し、女性ホルモンの生産が低下します。
アルギニンは脳下垂体を刺激するので、連動している視床下部も刺激し性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌も増やします。
その結果、脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの分泌も増え、卵巣で生産される女性ホルモンの分泌も増えます。
すっぽんはアルギニンを100gあたり1,036mg含有しています。
亜鉛で女性ホルモンの生産量を増やす
亜鉛は必須ミネラルの一つで、たんぱく質や各種ホルモンの生産に必要な栄養素です。
亜鉛は日本人の食生活に不足しがちで、しかも体内への吸収率が非常に悪い栄養素です。
偏食やダイエット、少食などで食事の量が少なくなると、体内で亜鉛が減少し、それと共に卵巣にある亜鉛も減少します。
亜鉛は卵巣内で女性ホルモンの生産や卵子の細胞分裂に必要不可欠で、亜鉛が少なくなると女性ホルモンの生産が減少し、卵胞の成熟も遅れます。
すっぽんで亜鉛を補うと、卵巣で亜鉛が増え、女性ホルモンの生産量が増加します。
すっぽんは亜鉛を100gあたり1.6mg含有し、これは成人女性が1日に必要な摂取基準の20%に相当します。
すっぽんは閉経を迎えた女性にも効果を発揮
更年期障害は自律神経の乱れが原因
女性は閉経を迎えると、残念ながら卵巣で女性ホルモンの生産ができなくなります。
視床下部は女性ホルモンの分泌の命令を出しているにも関わらず、卵巣で性ホルモンの生産が行われないため、視床下部は混乱に陥ります。
その結果、視床下部と連動している自律神経も乱れ、更年期障害の諸症状を引き起こします。
そのため、女性ホルモンの生産が止まった状態に体が慣れるまで、しばらくの間女性は更年期障害に悩まされます。
すっぽんのビタミンB1とビタミンB12が自律神経を整える
更年期障害の諸症状は、自律神経の乱れで生じます。
すっぽんは別名「神経のビタミン」と呼ばれるビタミンB12が豊富です。
ビタミンB12は、神経細胞の修復や再生、末梢神経を整える作用があり、乱れた自律神経の作用を回復させます。
また、神経細胞は糖質をエネルギーとしているため、糖質が不足すると自律神経も乱れます。
ビタミンB1は、神経細胞が糖質をエネルギーに代謝※2する際に補酵素として作用する栄養素で、ビタミンB1が不足すると自律神経が乱れます。
すっぽんはビタミンB1も豊富です。
すっぽんでビタミンB1とビタミンB12を摂取すると、更年期障害で乱れがちな自律神経が改善します。
※2 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質を持つ物質に変えること。
すっぽんはビタミンB12を100gあたり1.2μg含有し、これは成人女性が1日必要な摂取基準の60%に相当します。
また、ビタミンB1を100gあたり0.91mg含有し、これは成人女性が1日に必要な摂取基準の82.7%に相当します。
まとめ
女性ホルモンは卵巣で生産されますが、その指令は脳の視床下部が行っています。
視床下部は自律神経とも繋がっているので、自律神経が乱れると女性ホルモンの分泌も乱れます。
すっぽんのアルギニンは脳下垂体を刺激し、脳下垂体と連動する視床下部を活性化し性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌を促進し、女性ホルモンの分泌を増やします。
また、すっぽんの亜鉛は卵巣で生産される女性ホルモンの生産量を増やします。
さらに、女性は閉経すると卵巣での女性ホルモンの生産が止まり、更年期障害で自律神経が乱れます。
すっぽんに豊富なビタミンB1とビタミンB12は乱れた自律神経を改善する作用があるので、更年期障害の諸症状を緩和します。
すっぽんは女性ホルモンの分泌や自律神経の正常化に作用するので、すっぽんのサプリメントを上手に活用し、日々の健康維持にお役立てください。