すっぽんのヒスチジンの作用

すっぽんはヒスチジンを含有する

古くから食べれているすっぽん

滋養強壮や疲労回復に効果のあるすっぽんは、古くから精の付く食材として知られ、その効果の高さから「歩く漢方薬」とも呼ばれています。
最近ではすっぽんを使った各種サプリメントが販売され、すっぽんの効果を手軽に得られるようになりました。

すっぽんはアミノ酸が豊富な食品として知られ、その中にはヒスチジンという成分も含まれています。
ヒスチジンは普段聞きなれない栄養素ですが、私たちの体の健康維持に必要不可欠な成分です。
今回は、すっぽんに含まれているヒスチジンの効果についてお話します。

ヒスチジンとは

ヒスチジンは、食物で摂取が必要な9種類ある必須アミノ酸の一つです。
ヒスチジンは子供の体内で合成できませんが、大人は体内で合成が可能なので、厳密な意味での必須アミノ酸ではありません。
しかし、体内で合成が可能と言っても、その生産量はごく僅かなのでヒスチジンは食物での摂取が必要です。

ヒスチジンの役割

ヒスチジンはイミダゾール基と呼ばれる塩基を持っているため、酵素の活性や、たんぱく質を構成するプロトンと呼ばれる水素イオンの移動に関与します。
この効果により体内で成長に関わり、神経機能の補助、関節炎の緩和、ストレスの軽減、肥満予防、記憶力や集中力アップなどの作用があります。
また、人の神経細胞に作用するヒスタミンや、抗酸化物質のカルノシンの生産に必要な栄養素です。
さらに、赤血球の合成に関与し、体内ではヘモグロビンの中に最も多く含まれています。

すっぽんのヒスチジン含有量

ヒスチジンは鶏肉、ドライミルク、青魚、魚の白子などに多く含有されています。
すっぽんもヒスチジンを含有しており、100gあたり381mg含有しています。
人の場合、ヒスチジンは体重1kgで10mgの摂取が必要なので、すっぽんの含有量が如何に豊富か分かるでしょう。

すっぽんのヒスチジンの健康効果

すっぽんは、ヒスチジンを豊富に含有しています。
すっぽんでヒスチジンを摂取すると、
(1)成長促進
(2)貧血改善
(3)老化予防
(4)炎症の緩和
(5)ダイエット
(6)記憶力の維持
に効果を発揮します。
それぞれ、ヒスチジンが体にどのように作用するのか、詳しく見てみましょう。

成長促進

ヒスチジンが無いと成長が抑制される

ヒスチジンはたんぱく質を代謝※1する際に、プロトンの移動に関与します。
各アミノ酸はプロトンの移動を通じて、結合したり、分離したりして他の物質に変わります。
そのため、ヒスチジンが無いとたんぱく質の合成が停滞し、成長が抑制されます。
※1 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質を持つ物質に変えること。

特に子供はヒスチジンを体内で生産できないので、すっぽんのサプリメントで補給するのが効果的です。
また、すっぽんには同じくたんぱく質の合成に必要な成長ホルモンの分泌を促す、非必須アミノ酸のアルギニンが豊富です。
スッポンを摂取すると、ヒスチジンとアルギニンの効果で成長が促進されます。

貧血改善

体内でヒスチジンを最も多く含有しているのが、赤血球の主成分のヘモグロビンです。
そのため、ヒスチジンが不足すると、赤血球が十分に合成できなくなります。
また、ヘモグロビンの合成には必須ミネラルの鉄やビタミンB6、葉酸、ビタミンB12が必要ですが、すっぽんはこれらの栄養素を含有しています。
特にビタミンB12の含有量が豊富なので、赤血球の生産が促進され、貧血が改善されます。

老化予防

老化の原因は活性酸素

老化の原因の一つが、体内で発生する活性酸素※2です。
老化は、細胞内で遺伝子情報を保存するDNAや遺伝子情報を複写するRNAが損傷し、新陳代謝で正確な細胞の複製が出ないために、組織の機能が低下することで起こります。
体内では様々な抗酸化物質が生産され、活性酸素を除去していますが、加齢により体内で生産される抗酸化物質の量は減少します。
※2 活性酸素とは電子が欠損し物質として不安定な酸素のこと。他の物質と結合することで物質としての安定化を図ります。そのため普通の酸素に比べ化学反応が早い性質があります。

ヒスチジンは体内で抗酸化物質として作用するカルノシンの前駆体なので、ヒスチジンを摂取するとカルノシンが多くなり、老化を予防できます。
また、すっぽんは体内で生産される抗酸化物質のグルタチオンの原料となるアミノ酸のグルタミン酸、システイン、グリシンも豊富なので、ヒスチジンと相乗効果を発揮します。

炎症の緩和

すっぽんを摂取すると、ヒスチジンとロイシンの相乗効果で炎症が緩和します。

ヒスタミンとロイシンの効果

ヒスチジンは、情報伝達物質のヒスタミンの前駆体です。
ヒスタミンは体に傷を負ったり、有害物質が侵入したりすると活性化し、血管を広げたり、腺分泌を促進したりします。
その結果、炎症を負った組織の炎症物質を血液で運び去り、炎症を緩和します。
また、すっぽんには炎症部分の疼痛を緩和する脳内ホルモンのエンドルフィンと似た作用を発揮する、アミノ酸のロイシンが豊富です。

ダイエット効果

すっぽんを摂取すると、ヒスチジンとビタミンB群の作用で脂肪が燃焼し、ダイエット効果が高まります。

ヒスチジンとビタミンB群の効果

ヒスチジンから作り出されるヒスタミンは、神経伝達物質としても作用します。
ヒスチジンが働くと食欲が抑制される一方、体温が上昇するため、より多くのエネルギーが消費されます。
また、すっぽんには体内でエネルギーを生産する際に補酵素として作用するビタミンB群が豊富で、脂肪の燃焼を促進します。

記憶力の維持

記憶は海馬で行われる

人の記憶は、脳の器官である海馬で行われます。
海馬は人の五感から収集される膨大な情報を整理して一時的に保管し、必要な情報だけを大脳に書き込む役割を担います。
海馬の働きが低下すると、記憶の保持ができなくなり、痴ほう症や認知症を発症します。

ラットを使った実験では、ヒスチジンは海馬の神経細胞を保護する作用があることが報告されています。
また、海馬で亜鉛が不足すると、記憶の保持ができなくなります。
すっぽんは亜鉛も豊富なので、ヒスチジンと共に記憶の維持に効果的に作用します。

ヒスチジンの過剰摂取は避ける

ヒスチジンは体の機能を維持するために、必要不可欠な栄養素です。
しかし、アレルギー体質の人がヒスチジンを過剰に摂取すると、ヒスチジンが作るヒスタミンの血中濃度が向上します。
ヒスタミンは体に何も起こらなければ細胞内で不活性ですが、アレルギー物質を摂取すると活性化し、くしゃみ、鼻水、炎症などのアナフィラキシー症状が激しくなります。

まとめ

必須アミノ酸のヒスチジンは幼児では体内で合成できませんが、大人だと体内で合成できるアミノ酸です。
ヒスチジンはたんぱく質の合成に必要なアミノ酸で、さらに情報伝達物質のヒスタミンや、抗酸化物質のカルノシンの前駆体となる物質です すっぽんでヒスチジンを摂取すると、体の成長が促進され、貧血が改善し、抗酸化作用で老化も予防できます。
また、ヒスタミンの効果で炎症が緩和され、ダイエットにも効果を発揮します。
さらに、海馬の神経細胞を保護することもできるので痴ほう症や認知症を予防できます。
ヒスチジンの補給を毎日手軽にできるすっぽんのサプリメントは、健康維持にとても有効です。

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