※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

すっぽんの生態は?

意外と知らないすっぽんの生態

滋養強壮や疲労回復に効果があり、スタミナの付く高級料理として扱われるすっぽん。
現在、なべ料理やサプリメントなどで利用されるすっぽんのほとんどは養殖ものですが、天然のすっぽんももちろんいます。
すっぽんの姿かたちは思い浮かべられますが、生態はほとんど知らないのが実情ではないでしょうか?
今回は、すっぽんの生態についてお話します。

すっぽんの形態

日本に生息するニホンスッポンの場合、成体で体長35cm程度、体重は1,000g程になり、メスよりオスの方がやや大きくなります。
他のカメ類とは異なり甲羅は扁平で、皮膚は鱗で覆われておらず、柔らかい皮膚をしています。
すっぽんは尾でオスとメスの見分けができ、オスは尾が長く、メスは短くて丸みを帯びています。
また、すっぽんは5歳で成熟し、メスは卵が産めるようになります。

すっぽんの生息地

日本国内のすっぽんは本州以南の河川の中流域や、大型の淡水の湖沼に生息し、暖かい場所を好みます。
すっぽんは生命力が強く、清流からドブ川まで、淡水であれば生息が可能です。
ただし、すっぽんが好むのは浅瀬で水の流れが緩く、濁った砂地のある川底や湖底です。

すっぽんの生態

すっぽんは水中生活に適応している

すっぽんは日本にいる他のカメ類のイシガメやクサガメと同様に半水棲の動物ですが、イシガメやクサガメと比べてより水中生活に適した生態をしています。
首が長く体長の0.8倍程度伸ばせ、鼻がシュノーケルのようになっているので体を水面に出さずに呼吸ができます。
また、喉の毛細血管が発達し、水中に溶けている酸素もある程度吸収できます。
そのため、陸に上がることは余りありませんが、皮膚が弱いので殺菌のために1日2~3時間は日向で甲羅干しをします。

すっぽんは素早い

基本的には臆病な性格で、陸上で甲羅干しをしていても人の気配を感じるとすぐに水中に隠れてしまうので、野生ですっぽんを見かけることは殆どありません。
また、他のカメ類にくらべ甲羅が薄く動きが機敏で、水中を速く泳げるばかりではなく、陸上でも同じ亀とは思えないくらい速く走れます。
一方で闘争心も強く、顎の力が強いので噛みつくとなかなか離れません。
噛みつかれた場合は、しばらくじっとしていれば噛むのをやめて逃げ出します。

すっぽんの一年

すっぽんは他の爬虫類と同様に、変温動物です。
すっぽんは同じ水棲のイシガメやクサガメよりも暖かい場所を好み、水温が20℃以上にならないと成長しません。
水温が15℃以下になると餌を食べなくなり、10℃以下になると池底の砂地に潜り冬眠します。
日本の場合、4月ぐらいに冬眠から目を覚まし、5月頃に交尾をし、10月下旬には冬眠に入ります。

すっぽんの産卵

メスは6~8月にかけて水辺の近くの陸上で砂地を見つけ、1度に10~40個ほど卵を産みます。
また、この間に2~3回産卵をします。
孵化までの日数は40~80日程度で、孵化後の幼体でも自由に水中を泳げます。

すっぽんの冬眠

産卵後、冬眠に備えるために魚類や両生類、甲殻類、貝類など、主に肉類を食べて栄養を蓄え、体に脂肪を溜め込み冬眠に備えます。
天然のすっぽんであればこの時期が旬であり、味も栄養もこの上なく上質になります。

日本では10月下旬頃から水温が15℃になるので餌を食べなくなり、翌年の4月まで実に6か月もの間何も食べずに冬眠します。
冬眠期間中は全く動かないので死んでいるように見えますが、冬眠から目覚めるまでの半年間ですっぽんの体重は10~15%減少します。
この生命力の強さが、すっぽんが滋養強壮に良いと言われる由縁です。

すっぽんの寿命

通常、養殖で出回っているすっぽんは、3~4年飼育されたものが中心です。
一方、「鶴は千年、亀は万年」と言うように、自然界のすっぽんは同じカメ類と同様に非常に長寿で、平均寿命は30年、種類によっては100年以上生きる場合もあります。
これも、すっぽんの生命力の強さを物語っています。

まとめ

すっぽん料理やサプリメントなどで使われるすっぽんは養殖物がほとんどですが、日本には本州以南の暖かな水辺に普通の野生動物として生息しています。
すっぽんは他の日本のカメ類に比べより水中生活に適した生態をしており、性格は臆病ですが他のカメ類よりも闘争心も強く、カメ類とは思えないくらい動きも機敏です。

一年の半分は冬眠して過ごし、天然物は冬眠前に体内に栄養を溜め込んだすっぽんが旬とされ、味も栄養も豊富です。
養殖物は3年程度で出荷されますが、自然のすっぽんは寿命も30年以上と長く、この生命力の強さこそ、すっぽんが滋養強壮や精力増進に効果がある健康食品と言われる由縁です。

あなたにオススメのコラムRecommend