疲労回復にはすっぽんとニンニクを

スタミナ食のすっぽんとニンニクの相乗効果はあるの?

古くから、スタミナ食として愛されてきたすっぽん。
一方、ニンニクもスタミナ食として様々な料理に活用されています。
すっぽんのサプリメントの中には、スタミナ増強を狙ってニンニクが配合されたものも多く見かけられますが、本当に効果はあるのでしょうか?
今回は、すっぽんとニンニクの相乗効果についてお話します。

ニンニクの有効成分はアリシン

ニンニクは中央アジアが原産とされ、紀元前3200年の頃には既にエジプトで栽培されていました。
日本へは8世紀ころに到来し、『古事記』や『日本書紀』にも風邪や肺炎の薬として使用されていたことが伺われます。

このニンニクの有効成分とされているのが、ニンニクをはじめとしたネギ科の植物特有の二次代謝産物※1で、強烈な臭いの原因物質であるアリシンです。
アリシンは、本来ネギ科の植物が傷ついた体を害虫や病原菌から身を守るために生産する物質で、非常に強い殺菌・抗菌効果があります。
その殺菌効果はすさまじく、僅かな量でもコレラ菌やチフス菌、サルモネラ菌などを死滅させます。
※1 二次代謝産物とは植物特有の成分で、生体の維持には必要ないが、継続して摂取することで体に何かしらの効果を発揮する栄養素のこと。

アリシンはビタミンB1と一緒で効果を発揮

ビタミンB1は、主に糖質をエネルギーに代謝※2する際に補酵素として作用する栄養素です。
アリシンはビタミンB1と一緒に摂取すると、体内でアリチアミンという物質になり、小腸からの吸収率が高まります。

※2 代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質を持つ物質に変えること。

通常、ビタミンB1をはじめとした水溶性ビタミンは体内に吸収されると、その時点で必要な量以外は、数時間後に尿と共に体外に排泄されます。
しかし、ビタミンB1がアリチアミンになると体内に留まる時間が長くなり、ビタミンB1の作用をより長く活用できるようになります。
その結果、糖質をエネルギーに代謝する時間が長くなり、疲労回復効果が長続きします。

すっぽんはビタミンB1が豊富

すっぽんはビタミンB群が豊富で、特にビタミンB1が豊富です。
すっぽん100gあたり0.91mgのビタミンB1を含有し、これは成人男性が1日に必要な摂取基準の75.8%に相当します。
ニンニクもビタミンB1を含有していますが、摂取できる量は僅かです。

そのため、すっぽんとニンニクを摂取すると、より多くのアリチアミンを生産でき、疲労回復効果が高まります。
ご飯や麺類など糖質が豊富な食品と一緒に摂取すると、エネルギーがすぐに生産され疲労が回復します。

疲労回復効果だけじゃない、すっぽんとニンニクの相乗効果

ニンニクはその高い健康効果から、古くから生薬として愛用されてきました。
一方、すっぽんも滋養強壮や様々な健康効果を発揮するので「歩く漢方薬」と呼ばれ、漢方薬の書『神農本草経』にも様々な薬効が記されています。
すっぽんとニンニクを一緒に摂取すると、
(1)生活習慣病の予防
(2)新陳代謝の促進
(3)抗酸化作用
(4)ED改善
など、様々な効果を発揮します。
それぞれ、すっぽんとニンニクがどのように体に作用するのか、詳しく見ていきましょう。

生活習慣病の予防

糖尿病の予防
血糖値を下げるにはインスリンの分泌が必要

糖尿病は食事で摂取した糖により血糖値が上がり、その糖がいつまでも細胞内に取り込まれないために発生ます。
血糖値が高い血液は糖によりドロドロの状態が続き、血流が悪くなるので血圧が上がり、動脈硬化をはじめとした成人病の原因になります。
そのため、血糖値を下げるには、細胞に糖を吸収させるインスリンの分泌が必要です。

すっぽんはインスリンの分泌を促進するロイシンや、血糖低下ホルモンのGLP-1の分泌を促進してインスリンの分泌を促すアルギニンが豊富です。
また、インスリンはすい臓のランゲルハンス島のβ細胞で生産されます。
インスリンの合成には、このβ細胞内に十分な亜鉛が必要です。
すっぽんは亜鉛も豊富なので、インスリンの合成が促進します。

一方ニンニクのアリシンは、同じくニンニクに豊富なビタミンB6と結合し、インスリンの分泌を促進する作用があります。
すっぽんとニンニクを一緒に摂取すると、糖尿病を予防できます。

コレステロールの抑制
肝臓に脂肪が蓄積するとLDLコレステロールが増える

悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールは、肝臓で脂肪が蓄積すると分泌量が増大します。
血液中にLDLコレステロールが増えると動脈硬化の原因となり、くも膜下出血や脳梗塞、心筋梗塞を発症してしまいます。

肝臓に脂肪が蓄積するのは、可能に摂取した糖質、脂質、たんぱく質がエネルギーに変換されないのが原因です。
肝臓でエネルギーを生産するには、ビタミンB群が必要です。
すっぽんもニンニクも、ビタミンB群が豊富です。

また、すっぽんに豊富なDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、ビタミンE、ニンニクのアリシンにもコレステロール値を下げる効果があります。
すっぽんとニンニクを一緒に摂取すると、高いコレステロール抑制効果を得られます。

血流促進

すっぽんは脂質を比較的多く含みますが、体内で合成できない必須脂肪酸のω3系脂肪酸の含有量が豊富です。
すっぽん100gで、1日に必要なω3系脂肪酸の摂取量を賄えます。

ω3系脂肪酸は血流を促進する

私たちが一般的に脂肪と言っている動物性の脂肪は、常温では固体です。
しかしω3系脂肪酸で青魚に多いDHAやEPA、亜麻仁油に多いα-リノレン酸などは氷点下でも液体です。
そのため、ω3系脂肪酸を摂取すると、血液をサラサラにし、血流を促進する作用があります。

一方、ニンニクのアリシンは100℃未満で加熱すると、アホエンという物質が生産されます。
アホエンは血栓の原因となる血中のコレステロールや、痛風の原因となる尿酸を減少させる効果があります。
また、アリシンをはじめとしたイオウ化合物は、血液の凝固を抑制する作用があるため、血液がサラサラになります。

新陳代謝の促進

すっぽんやニンニクで血流が良くなると、各細胞に栄養が行き渡るようになるので細胞が活性化し、新陳代謝※3も盛んになります。
すっぽんは新陳代謝の際に細胞のたんぱく質の合成に必要な成長ホルモンの分泌を促すアルギニンや、細胞分裂を活性化する亜鉛が豊富です。
ニンニクにはスコルジニンという栄養素を含有しており、新陳代謝を活性化する作用があります。
新陳代謝が活性化すると、肌艶が良くなり、若々しい肉体を手に入れられます。

※3 新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えることで、組織の機能を保持する生理現象のこと。

抗酸化作用

活性酸素とは

食物を摂取してエネルギーを生産したり、紫外線を浴びたりすると、体内で大量の活性酸素※4が生産されます。
活性酸素は人体に有害で、老化の原因にもなるので、体内では様々な抗酸化物質が活性酸素の除去に使用されています。

※4 活性酸素とは電子が欠損した物質として不安定な酸素のこと。他の物質と結合することで物質としての安定化を図るため、普通の酸素に比べ化学反応が早い性質があります。

すっぽんは、細胞内で抗酸化物質として作用するグルタチオンの原料となるグルタミン酸、システイン、グリシンや、カルノシンの原料となるヒスチジンが豊富です。
また、油に溶ける性質を持つ脂溶性の抗酸化物質であるビタミンA、ヒタミンEも豊富です。

ニンニクのアリシンも、強力な抗酸化作用があります。
さらに、すっぽんに豊富なビタミンB1やニンニクに豊富なビタミンB6は、酸化してしまった抗酸化物質を還元し、再び抗酸化物質として作用させる性質があります。
すっぽんとニンニクを摂取すると、活性酸素の害が減り、老化を予防できます。

ED改善

ED(勃起不全)は陰茎の海綿体に張り巡らされた毛細血管の末端まで血液が流れ込まなくなるのが原因です。
すっぽんに豊富なアルギニンは、勃起の際に血管を拡張させる一酸化窒素の原料となります。
ニンニクのスコルジニンにも血管拡張作用があり、特に末梢血管を拡張する作用に優れています。

すっぽんもニンニクも血液をサラサラにする効果があるので、勃起に十分な血液を陰茎に送り込めます。
すっぽんやニンニクを食べると精力が増すのは、アリシンやビタミンB1のスタミナ効果と、アルギニンやスコルジニンの血管拡張効果が要因です。
すっぽんとにんにくを一緒に摂取するとEDが改善し、性行為の持続力が向上します。

すっぽんでニンニク臭対策

ニンニクを摂取すると、どうしても口臭や体臭が気になります。
ニンニクの臭い成分であるアリシンは、たんぱく質と結合しやすい性質があるため、たんぱく質の宝庫であるすっぽんと一緒に摂取すると臭いを軽減できます。

まとめ

すっぽんとニンニクは相乗効果の高い組み合わせです。
ニンニクの有効成分であるアリシンは、すっぽんの栄養素と相性が良く、特にスッポンに豊富なビタミンB1と結合することで、高い疲労回復効果を発揮します。
また、糖尿病の予防やコレステロールの抑制、血流の促進など、生活習慣病のリスクを軽減します。
さらに新陳代謝が活性化し、豊富な抗酸化物質の効果で老化を予防し、しかも血管拡張効果でED改善にも効果を発揮します。
ニンニクは臭いが気になりますが、すっぽんにニンニクを配合したサプリメントなら臭いを気にせず毎日摂取できます。
疲れ知らずの健康な体を手に入れるために、すっぽんとニンニクのサプリメントをぜひ活用してみてください。

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